PEC bar de España “代表”野々村 哲孝さん
ダンディ店長を探せ!:Vol.15 PEC bar de España “代表” 野々村 哲孝さん
今回ご紹介するのは、PEC bar de España代表、野々村 哲孝(ののむら のりたか)さんです。
柏駅南口から徒歩約3分、本場スペインの港町にあるバルをイメージしたというお店は、
店前のスペイン国旗の鮮やかな赤色、黄色が目を引きます。
ガラス張りの大きな扉からは店内が見渡せ、思わず足を止めてしまいます。
タパスや、ワインを始めとしたスペイン酒を気軽に味わえ、
柏にいながら本場のスペインバルの楽しみ方を堪能できる大人の空間です。
8月5日に2周年を迎えたばかりのPECさん。
野々村さんに、オープンのきっかけや3年目の目標をお聞きしました!
野々村さんは千葉県船橋市出身。
小学生から高校3年生までサッカー部に所属し、小さい頃の夢はサッカー選手でした。
飲食業界に足を踏み入れたきっかけは、和食屋で始めたアルバイト。
カジュアルな洋食店でも働いてみたいと思うようになった20歳の頃に偶然、あるスペイン料理屋に出会いました。
そこで、シンプルで気軽に楽しめるスペインバル、スペイン料理に魅せられました。
21歳からの7年間は、当時柏駅東口にあった韓国料理屋で働き、店長も務めましたが、28歳のときお店が閉店に。
それを機に、30歳で自分のお店を持つことが目標になりました。
幅広いジャンルの飲食店勤務を経験した中でも野々村さんは、開業するならスペインバルを、と考え、
1ヶ月半スペインへ渡り本場のお酒を飲み、料理を食べ、現地のスペインバルを肌で感じ、
自店のイメージを膨らませていきました。
帰国後は、柏市中央町にあるイタリアンレストラン、Sereno(セレーノ)や、
スペインバルBal CHATEO(バル チャテオ ※2017年1月閉店)などで2年間働き、実践的に料理を学んでいきました。
そして目標通り30歳で、約10年間働いていて土地勘があり、知り合いも多くいた柏市に、
2016年8月、PEC bar de Españaをオープンしました。
―ガラス張りの扉で店内の様子が見えて、入りやすい雰囲気ですね。
野々村さん「スペインとか、路面店ってドアがないお店が多くて。そのイメージに近づけたら、入りやすいって言ってくれるお客さんが多かったのでよかったです。」
―内装も素敵ですね。
野々村さん「テレビの印象で、スペインのお店はカラフルなタイルが敷き詰められているイメージがあったんですけど、初めてバルセロナに行ったら木や石でできた、歴史を感じる建物も多くて。僕自身、老舗喫茶店など、古い感じの雰囲気が好きなので、お店もこんな風になりました。」
カウンター10席、テーブル席最大約20名、貸し切りは、立食含めて約30名前後まで利用可能。
―天井に“いかり”や“ロープ”が…!
野々村さん「“いかり”は、お店のロゴマークにも使っていて、店内にも飾りたいなと思っていたら古道具好きの、(株式会社CHATEO代表取締役)安生さん※が東京都目黒区のアンティークショップで見つけて教えてくれました。“ロープ”も、港にありそうでいいなと思って、安生さんと行った古道具屋で購入して、柱に巻きつけてみました(笑)。」
※ダンディ店長を探せ!!Vol.14でご紹介した、株式会社CHATEO代表取締役 安生 俊一さんの記事はこちら!
―メニューは野々村さんが考えているのですか。
野々村さん「オープン当初は僕が考えていましたが、今は料理をメインで担当してくれているスタッフがいるので、僕は少し意見を言わせてもらっているくらいです。定番メニューはオープン当初からほとんど変えていません。スペインバルといえばあるかな、というラインナップです。でも、常連さんは飽きてしまうので、黒板のメニューは1、2週間で変えています。」
―広々としたカウンター席がありますが、1人で来られるお客様も多いですか。
野々村さん「1人でいらっしゃる方も多いですね。なるべく日ごろから利用しやすいようにしたくて、お通し代はいただいていません。タパスは、カウンターのお客様専用に小皿サイズもご用意しています。」
―おすすめメニューを教えてください。
野々村さん「ムール貝のサルサヴェルデ(PECオリジナルソースで仕上げたムール貝)と、タコのガリシア風(タコを柔らかく煮込むガリシア地方の伝統料理)です。本場の味を好むお客様にも、おいしいと言ってもらえます。ムール貝は広島県、タコは宮城県仙台市と、新鮮な国産の食材を使用している点も、自信を持っておすすめできる理由のひとつです。」
―お酒はどんなものがありますか。
野々村さん「ワインはスペイン産。他にもシェリー酒や、スペインのカクテル、サングリアソーダやクララ(ビールを甘みのある炭酸飲料で割ったお酒※PECさんではスプライト割り)などもあります。スペインのお酒以外にもご用意できるドリンクがたくさんあるのでぜひご相談ください。」
―カウンター越しに、お客様とより近い距離感でお話しされることも多いと思いますが、何か意識されていることはありますか。
野々村さん「かしこまりすぎないことです。もちろん、そろそろ注文が来るかな、とか寒くないかな、とかサービス業としての気遣いは忘れてはいけませんが、1人で来られた方も、グループのお客様も、いつでも気軽に来て、居心地よくいられるように(自分を)作りすぎず、普段のテンションで接客するようにしています。」
―2周年を迎える、今の心境を教えてください。(取材日は2018年8月3日)
野々村さん「オープン前から持っていた、柏でどれだけリアルにスペインバルをやれるかっていうスタンスは全く変わっていないんですけど、立地とか、お店を始めてみて、僕が思い描いていた形にはならなかったなぁと思っています。というのも、スペインバルって、立ちで飲んでいる人が大勢いるような、いい意味で雑多な雰囲気があるんですけど、ここでは特別な場合以外はわざわざ立って飲むことはないので。どちらかというと、ゆっくり過ごしてもらえる場所になっていきました。でも、それはそれでとてもありがたいことです。」
―3年目の目標はありますか。
野々村さん「実は2店舗目として、立ち飲みベースのお店を開きたいんです。でもその前に、まずはスタッフの仕事が偏って、1人の負担が大きくならないように、仕事をやりやすくしていくことが課題です。そして、これもずっと変わらないことですが、お店を続けていく以上、どれだけ追及して進化させたりよくしていけるか、考えて行動していかないといけないなと思っています。」
海上で船を停めておくために鎖やロープをつけて海底に沈められる“いかり”。
そのモチーフは、「安定」「困難に立ち向かう強さ」「希望」など、様々な意味が込められ、世界中で愛されているそうです。
柏で根を張り、たくさんのお客さんに愛されているPECさんにぴったりだと、筆者は感じました。2店舗目の開店も楽しみです♪
以下、お店の基本情報です。
PEC bar de España(ペック バル デ エスパーニャ)
〒277-0852 千葉県柏市旭町2-1-4
☎04-7186-7798
【営業時間】18:00~翌2:00(FOOD L.O.翌1:00)
【定休日】なし
掲載情報は2018年8月3日、9日の取材時のものです。
掲載内容が変更になる場合もございます。あらかじめご了承ください。
取材・執筆:小島 眸 撮影:児玉 啓