かしわずかん

摘水軒コレクション vol.8 歌川国久「雪中美人図」

本日は、摘水軒コレクション vol.8を連続ご紹介です!!!

 

 

摘水軒コレクション vol.8は、歌川国久「雪中美人図」です。
今日も、寺嶋哲生さんの誘う名画の世界をお楽しみください!

 


 

My collection. vol. 8

 
歌川国久「雪中美人図」

 
今冬、首都圏には未だ積雪はありません。

 
子供の頃はあれほど待ち遠しかった雪は、いつの間にか疎ましいだけの存在になってしまいました。
年齢を重ねると、ときめくことが少なくなります。

 
今回の作品は、江戸のアクション・ペインティング?です。

 
ジャクソン・ポロック宜しく、舞い散る雪をドリッピングで表現しております。
例えばアンフォルメルであれば勢いよく絵の具を飛ばすことも可能でしょうが、具象の仕上げに滴らせるのはかなり気を遣う作業でないのか知らん。
黒と赤、それにランダムな白のコントラストが綺麗です。

 
この女性は、お幾つなのでありましょうか?。

 
やはり雪が疎ましそうに、幾分か眉をひそめているようです。

 
浮世絵の美人画で喜怒哀楽を顔に表すのは、さほど一般的ではないように思います。
国久は、浮世絵界の最大画派・歌川派の絵師であり、女性であったと伝えられます。

 
歌川派の画系を辿ると、開祖・歌川豊春以降、歌川豊春→歌川豊国→歌川国芳→月岡芳年→水野利方→鏑木清方と続きます。
昨年再発見され、44年振りに展覧された日本の近代美人画の傑作「築地明石町」まで、浮世絵のみならず近代日本画にまで繋がる画系です。
最近の日本の現代美術では、美人画が静かなブームであるようです。

 
魅力的な作品を描く作家さん、取り分け女性画家の作品を見るにつけ、私はこの絵を思い出します。
次回は1月31日のお昼頃?、のどかな節分図をアップ致します。

 



 


 

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