摘水軒コレクション vol.14 円山応挙「猛虎図」
本日は、摘水軒コレクション vol.14を連続ご紹介です!!!
摘水軒コレクション vol.14は、円山応挙「猛虎図」です。
今日も、寺嶋哲生さんの誘う名画の世界をお楽しみください!
円山応挙「猛虎図」:府中市美術館で近日公開予定???
皆様、如何お過ごしですか?
パンデミックとは、これ程のものでございましたか。
命か金かと問われれば、答えは是非もない。
「チャンスは、全てを受け入れた時に始まる。」
昨日、友人に教わった言葉です。
その通りだと思います。
江戸の人々は本物の虎を見る事が出来なかった為、妄想を膨らませた珍妙な虎の数々を描きました(Vol.5 島琴陵「猛虎図」解説文参照)。
写生画を旨とし、当時の画壇にスーパーリアリズムを提起した円山応挙も例外ではありません。
しかしそこは生真面目な応挙先生、生きた虎ではなく、本物の虎の毛皮を手に入れて熱心に写生したそうです。
応挙の描いた虎の毛皮の絵が、酒田本間家の本間美術館に収蔵されております。
府中市美術館・金子信久先生の研究によれば、応挙の初期の作品では虎の縞模様を単純かつ左右対称に描いていたものが、毛皮の写生を経た後にはよりリアルな描写に変化したとの事です。
落款から天明2年の八月頃に描かれたと思われるこの作品も、本間美術館蔵の「虎皮写生図」の縞模様と、首筋や頬の辺りの描写が酷似しているそうです(國華第1483号参照)。
まだまだ猫のような優し気な虎の絵ですがこれでも随分とリアルに近づいた、Vol.5 島琴陵「猛虎図」と見比べて頂ければ深甚です。
連休明けに非常事態が解除されれば、あるいは数日間、展示が再開されるかも知れません。
府中市美術館において、この猛虎図の他に曽我蕭白様式の牛の屏風・狩野探信の仔狗・松村景文の猫・森一鳳の兎・立原杏所のヒヨコなど、花鳥動物画全9点が飾られております。
松濤美術館の肉筆浮世絵も、あるいは連休明けから会期を延長して展覧するかも?、との連絡がありました。
予定通り、非常事態が解除されることを願うばかりでございます。
次回は4月23日のお昼頃、ニュジーランドで宙に浮いている鯉の絵をアップ致します。