摘水軒コレクション vol.13 北鼎如蓮「立姿美人図」
本日は、摘水軒コレクション vol.13を連続ご紹介です!!!
摘水軒コレクション vol.13は、北鼎如蓮「立姿美人図」です。
今日も、寺嶋哲生さんの誘う名画の世界をお楽しみください!
My collection. Vol. 13
北鼎如蓮「立姿美人図」:(松濤美術館で近日公開予定???)
コロナウイルスの猛威が、止まりません。
医療崩壊を起こさずに集団免疫を獲得するには、相当な期間が必要です。
生きてるだけで丸儲け、明けない夜はない。
まずは、治療法が確立するのを待ちましょう。
小首を傾げながらこちらを振り向く女性は、花魁のような長い簪。
控えめな柄の服を緩やかに着崩して、お洒落な上にちょっとツンデレ風?
Vol.12・英泉の描いたピュアなお嬢さんより、些か手強そうな印象です。
後ろ手には、しっかりと畳まれた手紙を携えております。
さて、この手紙はどなたかから頂いたものでしょうか、あるいは、これからどなたかにお渡しするものでありましょうか?
頂いたものだとすれば、既に読み終えているのでしょうか、あるいは、これから読むのでしょうか?
恐らくは意図的に曖昧にした状況設定により、指の描写・顔の描写・姿勢の描写が、様々に表情を変えます。
例えば、指。
待っていた手紙を読み終えているのならば、微かにメロディーを口遊みながら交互にリズムを取っているような、この女性の高揚した気持ちを表現しているように見えます。
予期せぬ人から唐突に届いた手紙を読む前であれば、これからどうしたものか、思案しているようにも見えます。
意を決してしたためた手紙をこれから渡す目前であれば、渡すべきか止めるべきか、未だに逡巡している様子かも知れません。
素直に喜んでいるのか、まんまと罠にはまった相手にほくそ笑んでいるのか、一生の伴侶を定めた爽やかな笑みなのか、etc.
妄想しながら眺めてみると、モナリザ並みにミステリアスです。
さて、美術展は開催されるのでありましょうか、取り敢えずはこの作品も展示予定です。
次回は4月10日のお昼頃、「生真面目な巨匠」によって描かれた「優しそうな猛獣」をアップ致します。