摘水軒コレクション vol.3 岡本秋暉「月下双鹿図屏風」
2月27日に、国から新型コロナウイルス感染予防のため一斉休校の要請がありました。
今年はどんな一年になるのやら。
そして、オリンピックもどうなることでしょう。
気分をリフレッシュして、芸術に触れてみましょう〜心だけでも豊かにしていきたいものです。
摘水軒コレクション vo3は、岡本秋暉「月下双鹿図屏風」です。
今日も、寺嶋哲生さんの誘う名画の世界をお楽しみください!
岡本秋暉は小田原藩の武士で、小田原城天守閣を飾る板絵を描いたことで知られています。
弘化年間、かつての我家を新築した折に、暫く秋暉に逗留いただき、襖絵や屏風絵を描いて頂いたとの口伝があります。
その折の作成と思われる幾つかの作品が現存し、この屏風もその内の一つです。
2004年に平塚市美術館で本格的な岡本秋暉展が開催された際、先立って、企画を担当された郡司亜也子先生が調査にいらっしゃいました。
メモを取りながら暫くこの屏風を御覧になった先生は、くるっと振り向かれて、一言「目が青いです」とおっしゃいました。
その意図は、後に発行された展覧会図録の解説文から知れます。
前略「鹿の目尻と瞳にさされた青が、月光に照らされた辺りの非現実的なまでの凄まじい大気を表し圧倒的である」後略
な~るほど、って感じです。
子供の頃から見ていた屏風ですが、私はちっとも気づかなかった。
リンゴが落ちるのを見て、万有引力の法則に気づくか否か。
凡人と非凡人の差を実感しましたw。
この屏風は、令和元年12月8日まで平塚市美術館の「異界への扉」展で展示されていました。
次回は、
笑えて和める絵に致します。