かしわさんぽ

かしわさんぽ~行き当たりばったり道端観察~

執筆者の趣味で、ひたすら植物推しの“かしわさんぽ”。それも、あえてキレイなお花じゃない。

眺めてニヤリ、ときに心打たれるRoadside Storyなのだ。

仕事で柏市役所へよくお邪魔する帰り道に、ちょっと足をとめる処が幾つかある。

 

君は男か?女か?

樹冠の真下から青空を望む。クネクネした枝ぶりが興味深い。(地図①)

市役所通りの緩いカーブに沿ったヤマモモ(Morella rubra)並木。4月頃開花するはずなのだが、不覚にも未だ花を見ていない。雌雄異株(雄と雌が別の木なのだ)の君は、彼なのか?彼女なのか?それは花を見れば一目瞭然。来年こそ、君の正体を暴いてみせよう!予想では「彼」。理由は、果実を目撃していないこと。アスファルトに赤い実が落ちていれば、相当目立つはずだからね。

 

(私と)互いに励まし合う仲

不格好ながら逞しいシラカシ、アイビーに覆われている(地図②)

シラカシの幹を覆い尽くすアイビー(ヘデラ)蕾付!(地図②)

市役所通りを諏訪神社方向に左折すると、泰然自若な風貌で佇む、見上げれば、電線を超える樹高の大木、シラカシ(Quercus myrsinifolia)。極限まで伐採されて寸胴で、なんて格好悪いんだ!だが、カッコいい♪それでも生き延び、枝葉を伸ばし、成長を続けるその姿!

見てくれのいいイケメンよりも内面重視派の私にとって、直球ど真ん中なのだよ。君の真下に立ち、その枝葉の間から漏れる陽ざしに目を細めるとき、まぁお互いに頑張ろうぜと、いつも呟くのだ。幹は、一般で言うところのアイビー、つまりヘデラ(Hedera helix)でぐるんぐるんに覆われ、季節によってはその花もみることができる。めっちゃ地味だが、花屋さんで売ってるアイビーの花なんか目にすることは、ほぼないので、レアと言えばレア。知る人ぞ知る密かな楽しみってヤツだ。

 

小さく美しき者を守る?満身創痍のケヤキ    

樹皮の渋さと、美しいブルーの対比が気に入っているのだ(地図③)

市役所通りから諏訪神社に左折してすぐに出会う。鱗状になり、いかにも老獪な表情漂う、この樹皮。ケヤキ(Zelkova serrata)の大木だ。だがやはり、はるか頭上で、ほぼ寸胴に伐採されている。それでも、自然樹形とは、かけ離れた枝葉をワンサカ伸ばし、頑張っているのだ。私の眼には、満身創痍の老兵に見える。そしてその足元には、美しきブルーが付き従う。アジサイの植栽適地は半日陰だが、この場所

は丁度そのような環境。まるで昭和を懸命に駆け抜けた定年世代が、まだ小さく美しい次世代の者を守っているように見えないか?そう、植物のシュチュエーションを常にドラマ仕立てで考えてしまうのが、私の悪い癖。普段の態度ではわからないが、こうして書かせるとバレる。「変人?」という風評は免れないかもしれないが……知らぬ。

たまらん香りにしばし酔う

バナナチューインガムの香り??(地図④)

そしてカラタネオガタマ(Michelia figo)。ここでの開花は5月だが、その香りはバナナ味のチューインガム♪(だと思う)。毎年、この香りを嗅ぐのを楽しみにしているのだ。ライフケアメモリイパーク柏(斎場)の外構の植栽に顔を寄せて、うっとりしている挙動不審者がいたら、それは私。決して声をかけてはいけない。お楽しみの邪魔なのだよ。

 

 

 

成熟=死 自分的には小僧でいたいが…

この株は、高さ150cm程度、これでも大型に見えるが、本来はもっと大きくなるなる(地図⑤)

今回の最後は駐車場のアオノリュウゼツラン(Agave americana)。成長途中で切り取られているが、この場合、植えられている場所の性質と植物の規格を思えば、抜かれないのは、オーナーの思し召しに違いない…ありがたや。誰が思うだろう、この植物が、テキーラの原材料であること・成長のあかつきに数十年に一度だけ開花することから、“センチュリープラント”の英名を持ち、その花茎は10mにもなる場合があり、開花・結実の後、株は枯れてしまうことを。この道を通る時、私は必ず君を一瞥する。まだ、そして今後も開花に至らないであろう、君を。開花したいかい?いつまでも未熟でいたいかい?どちらが幸せだろうなぁ?柄にもなく、フッと哲学チックになってみるのだ。……故郷を遠く離れた異国で、いったい何を思っているんだろうね、君は。こんな調子で歩いているので、始終、車に轢かれそうになる。危ないこと、このうえなしだ。

おぉ、ヤバい!こんな時間だ、帰らんと!!『事〇局〇、遅いね~』空耳が聞こえる。

 

次回は(あれば)、諏訪神社の回り。これがまた……たまらん…。では!

 

今回のお散歩コースはこちら。

 

執筆:Kazu

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