Bar OPA(オーパ)門前仲町店『名も無きカクテル』
白濁したル・ジン カルヴァドスカスクのカクテル。材料は内緒にしとこう☆
お久しぶり、俺です。
やっと会社帰りにBarに寄れるようになった。
でも、感染対策は怠らずに!
さぁ、門前仲町のBar OPA(オーパ)のカウンターから始めよう。
時は、21時まで営業時間が戻った頃に遡る。
「久々にエスティバンをつくりました!どうです?」
「うーん、相変わらず、よく分からないカクテルだよ(苦笑)」
「よしっ☆」
「ハハッ!」
苦手なスピリッツのイメージが、どこかを分岐点にバカンスのイメージに逆転するカクテル、エスティバン。
いったい何処が分岐点だ?!
美味くて不思議で、ちと悔しい。
いたずらっぽく微笑む店長に、神妙な顔つきで声をかけた。
「では、ル・ジンのカクテルを」
「はい」
クリスチャン・ドルーアン社が販売しているジンに、カルヴァドスの樽でフィニッシュした、クラフトジンがある。
独特の風味を持つそれは、好きなジンの1つで、独特ゆえに、いつもストレートで飲んでいた。
カクテルにして、風味が消し飛ぶのが嫌だったからだ。
「ル・ジンのカルヴァドスカスクは、カクテルにできないよ~」
調子に乗る俺に、「そーゆーものほど化ける場合があるんです☆」と、店長は挑戦的に微笑んだ。
「じゃあ、つくって。」
「承知しました!」
で、数週間後。
薄い琥珀色のル・ジンは、トロッと白濁したカクテルとなって現れたのだった。
滑らかな舌触りでフルーティー。
マイルドで優しい甘さ。
だが、樹木の材をお香にしたような、口に含んだときの香りは健在だ☆
「………生きてる!香りが生きてる?!なぜ?味は女性も飲みやすくマイルドになってるのに……」
「それは………」
先輩に意見を聞き、スタッフにも協力してもらったと、店長はにっこりした。
Bar OPA(オーパ)は、ワガママな1人の客の要求に、人も時間も使い、素敵な答えを導き出してくれた。
だから、店長は材料を教えてくれたが、ここではあえて書かない。
だって、読んだだけでわかるなんて、つまらないじゃないか。
これまで、ル・ジン・カルヴァドスカスクを、独特の風味を理由に、勝手に「孤高の王子」と呼んだ。
でもこのカクテルで、王子は孤高でなくなり、多くの人に寄り添えるようになった。
自分の良いところを残したまま。
名も無きカクテル。
心の中でそっと呟く。
カクテルの名は「寄り添う王子」だ。
メンタ・ネモロサのモヒート。
大量持ち込みしたキューバミントで作っていただいた♪ダークラムベースの方がマイルド☆
ミントは、清涼感というより、特有の青味を楽しんで欲しい。
持ち込みは、くれぐれもBarの許可を事前に得てから!
Bar OPA(オーパ)門前仲町店