Bar Opa(オーパ)門前仲町店『カイピリーニャ☆小笠原ダブル』
手前がカイピリーニャ。右奥の冷製ラタトゥイユと合うんだ、これが!
「君、酒飲む人だったよね?」
ラジオのパーソナリティを思わせる、スモーキーな美声。
「はっはい!」
慌てて振り向くと、会社で一番偉い人が、いたずらっぽい笑顔で立っている。
「東京の島には、面白い酒が沢山あるんだよ。」
☆ ☆
で、俺の元にやって来たのは、小笠原のパッションフルーツリキュール。
パッションフルーツリキュールと言えば「アレ」しか知らない…
よし、こんな時こそBarだ!
「小笠原のパッションフルーツリキュール、美味しく飲めるカクテルある?」
「カイピリーニャ風にしてみましょう。」
パッションフルーツ特有の爽やかな甘味と、優しい口当たりを試し、少し考え、店長の谷澤氏は言った。
カイピリーニャは、ブラジル生まれ。
Bar Opaでは、切ったオレンジとライムを適宜入れたグラスに、粉糖と和三盆を足して潰し、クラッシュドアイスと、ブラジルの蒸留酒カシャッサで完成だ。
クセのあるカシャッサのインパクトを、柑橘の爽やかさと甘味が上手くいなした、素朴な一杯なのだ。
「どうぞ!」
「いただきます!」
☆ ☆
驚くなかれ、実はこの挑戦、のべ3日(来店3回の意味)続いた。
美味しいと思える1杯は、最初からできたが、後味がカシャッサのクセに引きずられ気味で、さりとて、リキュールを多くすると、全体がぼんやりしてしまう。
だが、どちらも素朴な味わいの酒、「カイピリーニャ風」は正解だと思った。
敢えて、3日間の行程は書かないが、新たな「美味しさ」は、試行錯誤の繰り返しで生まれるのだと、伝われば嬉しい。
バーテンダーは、ほんの数滴・数cc違いの世界を生きる技術職なのだ。
「美味しいよ、これで充分美味しいんだ………。ただ、ひっかかりが無いんだ……。」
恐らくは、リキュール多め、カシャッサ少なめに傾いているところで、思わず、そうこぼれ出た。
「ひっかかり、ですか……」
また少し考え、何か閃いたらしく、谷澤氏が動き出す。
「いかがです?!」
そして差し出された、新たな一杯……
「❗………あるよっ✨あるっ!ひっかかりっ!リキュールの優しさも、カイピリーニャ風のひっかかりも✨どうした?何使った?!カシャッサは?」
「お預かりしていたラムを、10ccだけ。カシャッサは使っていません!」
「そうか!海底熟成ラムか!」
すっかり忘れていたが、まったく別の目的で、小笠原の海底熟成ラムを、俺はOpaに預けていた。
海底熟成ラムは、小笠原のサトウキビ特有の、甘く力強い味わいのラムを、母島の海底で1年熟成させたものだ。
たった10ccで存在感を出すとは恐るべし!
そもそも小笠原ラムを元にできているのだから、相性が合うわけだ!
灯台もと暗しだが、思いつかなかった💦
俺の思い込みはカシャッサから離れられなかったのだ。
天晴れ、バーテンダー!
かくして、命名。
「カイピリーニャ☆小笠原ダブル」爆誕❗(大袈裟、笑)
今年の夏は、リキュールとラムが無くなるまで、これを楽しもう。
なるほど……
東京の島には、面白い酒が沢山か、納得😌
東京☆宝島、じゃん✨
小笠原の海底熟成ラムMotherと、パッションフルーツリキュール。お試しあれ!
Bar OPA(オーパ)門前仲町店