Bar Trias『帰りたくなるBar』
皆さんには、長いこと訪れていなくても、戻れる、帰れる場所はあるかい?
実家、学校や部活の仲間、商店街の人々…特定の景色なんかもそうだよね。
人により、その場所は様々だけど、
どれもきっと、ほっとできる場所なんだ…

雰囲気漂う外灯がBar Triasの目印。この明かりを見るとなんだかホッとする✨
ほぼ一年ぶりで、俺はBar Triasの前にいた。
前回の来店から、随分と間が空いた。
だが不思議と、扉を開けるときに、気後れも、照れくささも、まったくない。
「こんにちは!」
「いらっしゃい」
ふらっとやって来た俺に、グラスを拭いていた手を止め、まるで昨日も会ったかのような、さりげなさだ(笑)。
そして、席に案内されると、好きなBGMが流れ出した。
ふぅっと一息ついて、周りを見渡す。
背後のテーブル席、奥の書棚、ハンガーコーナー、酒瓶が並ぶ棚、照明の温かみ……変わらない。
自分の中に、“帰って来た感”が湧き上がる。

一人では座れないが、座り心地がいいのは知っている(笑)左奥が書棚。俺は、樽を作る木材は、ハーブのジャンルに入れて欲しいと思っているが、確か、樽について書かれた書籍があったように記憶している。

自分の好きな酒を見つけると、ひそかに嬉しい✨
「何にしますか?」
「インスタ見ました。ボトルのラベルが、苔むした大木の幹みたいなヤツ、あれをお願いします。レコードで言えば、ジャケ買いってやつです。あのラベルに惹かれました。」
「信濃屋さんからリリースされた“wabi-sabi”シリーズの第二弾で、※1 AN ORKNEYと記載はありますが、※2 シェリーカスクの ※3ハイランドパークです。」
「あのラベル、素敵です!」
「“幽玄”をモチーフにした日本の風景だそうです。第一弾は、赤鳥居でしたよ。確かに…ジャケ買いしたくなる時は、私もあります。でも、最初にこれを飲まれますか?」
「はい!まったく酔ってないうちに、よく味わいたいんです。」
「承知しました。」

何というか……「もののけ姫」の世界ですか?……みたいなラベル♪もちろん、酒は美味しくなければならないが、描いたアーティストが知りたくなる。
57°のウイスキーは刺激も大きいが、シェリーカスクの美味しさは十分伝わった。
このウイスキーの持つタンニンとの食べ合わせがいいのか、生チョコをつまみつつがちょうどいい。
「大病しちゃってさ……」
病気やら、転職やら、別にどうでもいいことを、ポツリポツリと話し、
「今はイベントの企画運営をしているよ。」
「植物の仕事なんですね。」
「うん、それだけじゃないけどね。」
「もちろんです(笑)」
オーナーは得心したように微笑んだ。
“やりたいことができているなら、良かったですね”俺にはそういう笑顔に見えた。
「次は、何を飲もうかな?何がいいと思う?」
「ご案内すべきものはありません。何でもお飲みになってください。カクテルでも何でも(笑)」
「え……、あぁ、先にあのウイスキーを飲んでしまったからだね。本当は後にもってくるべきヤツだったから。」
順番を無視した注文はまずかったかな?というのと、まるで、もう教えることは無いと言われた弟子のような……不思議な、寂しいような気持ちがないまぜになった。
“俺はまだ何も知らない、だから、これからも教えてくれよ!”という言葉は喉にひっかかり、出たのは
「じゃ、じゃあ、※4 チャーチルを」だった。
57°の後では、正直、インパクトはジュース並み。
だが、ベースはウイスキー、30°前後はあるのだ。
フルーティーさを楽しみながら、ゆっくり飲もう。
“そうだ、これと ※5マンハッタンから始まった。”
「そうでした、あなたはここ(チャーチル)からウイスキーが始まったんでしたね。」
“そうか、俺は帰りたくなるのか、ここへ”

最近ラベルが白から黒に変わった。スタイリッシュ✨
「……えーと、次は…その黒いラベルのボウモアをください。」
最後まで味に飽きないよう少量ずつ、綺麗に6種類盛られたドライフルーツを、つまんでは飲み、飲んではつまみ……。
“そうだ、いつか、無限のループだと書いたじゃないか………。”

ドライフルーツとウイスキーは永久機関的な組み合わせ✨さて、6種類は何でしょう?(笑)
「ごちそうさまでした。」
見送ってもらいながら、最後までしょーもないバカな冗談を言って店を出た(笑)。
遠くにいても、長い時間が経っても、ためらわず来れる場所。
時には何かを確かめに、時には新しいことを始めるために。
そこはまるで、昨日まで自分がいた場所。
それが、帰りたくなるBar。俺の、帰りたくなるBar。
次回も柏!
※1:スコットランドのオークニー諸島(メインランド)にある蒸溜所で作られたシングルモルト・ウイスキー
※2:シェリー酒の熟成に使用された樽を使って熟成されたウイスキー
※3:スコットランドのオークニー諸島にある蒸留所
※4:レシピ例はスコッチ・ウィスキー ・ホワイト・キュラソー・ スウィート・ベルモット・ライムジュース。イギリス首相を務めたウィンストン・チャーチルのためにつくられた。
※5:レシピ例はライ・ウイスキー・スイートベルモット・アンゴスチュラビターズ。カクテルの女王と呼ばれつつも、バリエーションが多い。
Bar Trias
千葉県柏市旭町1-4-11-201
営業時間:18:00~24:00
定休日 :火曜





















