くつろぎのBar

Bar OPA(オーパ)門前仲町店『向き合うBar』

新年度になって、はや二ヶ月が過ぎようとしている。

この世に暇な人などいない。

皆それぞれ、忙しく、せわしく、日々が過ぎてゆく。

振り返る暇なんかない、毎日がいっぱいいっぱいなんだから……。

(……本当にそうか?……目をそらせていたいだけではないか?)

グラスの中で揺れる白濁した液体が、そう問いかけている(ような気がした……。)

 

    ☆     ☆              

 

Bar OPA 谷澤氏のオリジナルカクテル「※(1)エスティバン」。

俺にとって、発想の転換や逆転といった言葉を想起させる、キーカクテルだ。

少し前に、使用するシロップの種類が変わった。

それは、大いに興味を引く事件であり、好奇心の対象であり、同時に、“変化”に対する正体不明の不安でもあった。

(詳しくは※Bar OPA(オーパ)門前仲町店『アイデンティティのBar』をご覧ください☆)

エスティバン。“酒”を“友”と言ってしまっては、今時はいけないのかもしれないが、こいつは案外、深いところにいて、俺自身が驚く……しょうがねぇ(笑)。あっ、つまみの“砂肝のコンフィ”も美味いぞ✨

 

 

「どうぞ!」

見た目は変わらない(そりゃそうだ、笑)。

だが、一口含んだ瞬間、心にさざ波がたった。

……クリア……?

 

当然、俺の味覚表現でしかないのは許して欲しい。

元々、エスティバンは甘さに頼るカクテルではない(とあるプロの方の評)。

甘さが増したのではなく、その輪郭がはっきりした気がする。

本当に?気がするだけじゃないか?

たまたまかと思い、2杯目を頼んでみた。

 

……同じ感じだ……。

いいとか、悪いとかじゃない。

あえて例えるなら、色彩の彩度は変わらず、明度が上がったような……

同時に、自分の中の正体不明の不安が、霞が晴れるように顕在化しようとしていた。

“エスティバンはクリアになった。じゃあ、俺はどうだ?”

 

    ☆     ☆ 

 

わぁ…こーゆーことは考え出すと止まらない。

自分にとって大切な何かの変化は、自分自身の変化の引き金になりかねない、だから不安だったんだ。

あ~めんどくせぇ、仕方ねぇ、それだけ深いところに、エスティバンが住んでいるということだ。

 

はいはい……避けてた、逃げてた、目をそらしてましたぁ~っ!

植物と関わる楽しさを、誰かと共有したい気持ちから。

(わかってたさ、薄々……※(2)Bar Landscape.で※(3)タッジーマッジーを飲んだ時から……)

少なくとも、7年近く、見て見ぬふりをしてきましたよ、いろんな事を言い訳にして。

今、それが仕事であるかどうかなんて、問題じゃない。

そーゆーことじゃない。

大切なのは、気持ちに蓋をしないことだった。

 

3杯目がきた。

クリアなシン・エスティバンが囁く。

(目をそらすな……)

 

わかった!わかった!サボるのやめだ!楽するのやめだ!

仕事は当然ないがしろにするわけない、ただ、「植物」は人生だから。

関わる機会を創り出さなくちゃダメだったんだ、もっと前から。

まったく…こうでも宣言しないと始まらない(誰だって楽な道を選びたいだろ?笑)

このまま流されてた方が楽なのになぁ~ちぇっ(笑)

 

はぁ~、エスティバンよ。

きっと君はこれからも、要所要所で、自問自答の俺の前に立ちはだかるんだろーよ。

そしてその度ごとに、俺の本音を俺自身に見せるのだろうさ。

楽しみでもあり、少し怖くもあり……まぁお手柔らかに頼むぜ(笑)。

 

    ☆     ☆ 

アイキャッチにも載せた、以前のシロップ。懐かしい気持ちはあるが、無い物を惜しむより、変化を楽しみたい。今までありがとう✨

 

 

Barはかっこいい?くつろぐ?楽しい?それだけじゃない。

大切な一杯を傍らに、後悔だったり、葛藤だったり、迷いってヤツに、ガチで向き合える場でもあるんだよ(苦笑)、少なくとも俺にとってはね。

 

Barに行ってみよーかなーなんて、チラッと思ってる、そこの君!

いつか会えるといーな!自分に素直になれる一杯に☆

あーでも、くれぐれも飲み過ぎんようになぁ!自分の上限は知って行け~(笑)

赤肉メロンとテキーラ(クエルボ トラディショナル レポサド)のカクテル。樽熟成されたテキーラで、青臭さはまったくない。つまみの“馬舌のスモーク”も美味い✨

 

“ヴァリンチ&マレット”香りが良い!香水になってもおかしくないんじゃないか?(※実際にウイスキー系の香りの香水はある)つまみはドライフルーツ✨

 

 

※(1):TUMUGI BUNTAN・マリーブリザール ユズ・マリーブリザール アニゼットが中心の創作カクテル。俺のTUMUGIのイメージを、革新的に変えた。

※(2):銀座西六丁目交差点近くのビル、Sanwa銀座ビルディングB1にあるオーセンティックバー。パフォーマンスに見とれてしまう。

※(3):ハーブのブーケのこと。Bar Landscape.で即興でつくっていただいたカクテルに、俺が勝手に命名。植物愛好家のための、とっておきの一杯。

 

Bar OPA(オーパ)門前仲町店

https://bar-opa.jp/

 

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