くつろぎのBar

Espresso&Bar come al SOLITO「1997」

 読者の皆様、おはようございます。遠くに見える入道雲が夏の終わりを感じさせる今日この頃と書き出しましたが、いつの間にか秋雨の季節になりました。どうぞ今宵もバーの扉を開けてみてくださいませ。
それにしても久々の投稿です。開き直りではありませんが、のんびりとやっていきますのでよろしくお願いします。前回の続きを書こうとおもいますが、今日はシーバスリーガルの水割りを飲みながら。このミズナラウッドで後熟させた日本限定のスコッチウイスキーには、どこか日本古来の香りを少しだけ感じさせます。
さてさて、前回書こうと思った出来事は1997年秋頃のことで世の中は消費税が5%に、サッカーではジョホールバルの歓喜に日本が包まれ、街には安室奈美恵のCAN YOU CELEBRATE?が流れ、ビンテージファッションの若者と失楽園に憧れる壮年で溢れている、まだまだ日本全国がやり直そうと活気に溢れている時代でした。皆さんはどんな1997年頃でしたか?
柏駅周辺の飲食店の数も現在の半分位しかなく、柏市人口も約32万人と今より10万人位少ない時代。松本はバーテンダーになって2年、赤坂見附で開校していたバーテンダースクールに通い、そのレジェンドバーテンダーの技に魅了され、心入れ替え奮闘している頃の話だそうです。そのころにお客様から頂いたNBA教本がバーテンダー協会との出会いだったそう。入会して一月後にはカクテルコンペティションに出場することになり右も左も分からずあたふたドタバタとしていたとかなんとか、そんなつまんない話はまた別のどうでもいい話。
その頃の柏駅のバー事情といえば、松本の働いていたBAR TOMOなどオーセンティックバーテンダーのいる店は5、6店舗位だったとか。今でも現存するバーは駅前通りを抜けた地下のバーのみで時代の移り変わりを感じます。ちょっと変わったバーもありました。線路沿いの200本揃えていたバーボン専門バー、酒税法の改正で見たこともないバーボンがドンドン日本に入ってきた時期でそれはそれは美味しいバーボンがボトルの棚から溢れて並べてありました。そのころは珍しいカラオケバー、車で行くしかない南柏の国道沿いにあった自由の女神が目印のバーなどなど、個性的なバーもあった。そんな時代に松本はバーテンダーとしてカウンターに立ち真面目風にカクテルシェーカーを振っていましたとさ。
バブル経済が終わったとはいえ景気は悪くはなかったころだったので、金曜日ともなるとBAR TOMOは忙しく常連客との会話も弾み店はご機嫌な雰囲気に包まれ、そして街には人があふれていました。そんなにぎやかなバーに「いらっしゃいませ」とさらに新しい男性のお客様が。テーブルに案内するアルバイトの顔が少しだけいつもと違うように感じ、その男性を見るとうつむき加減でテーブルに座り、メニューを見るでもなくすぐにはオーダーしませんでした。スーツではなく私服のお客様は初めてであることはすぐにわかりカウンター越しから気にかけていると、時折見せるカウンターを眺める目は潤みどこか悲壮感が漂っていた。JAZZの流れる空間は時間が経つごとににぎわいを増し店員も忙しそうで、ルイ・アームストロングがこの素晴らしき世界を歌いだしたころ、その20代後半と思われる男性はシーバスリーガルの水割りを注文した。・・・

 

Espresso&Bar come al SOLITO
柏市柏1‐1‐11 ファミリかしわ(丸井ビル)1F
柏駅南口より徒歩1分 ウイスキーの樽が目印
04-7197-2802
月~金    13:00~21:00
土・日・祝日 11:00~21:00

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