くつろぎのBar

Bar OPA(オーパ)門前仲町店『一人飲みの魅力その3』

皆さんの日常に、新しい生活様式は浸透しているだろうか。

俺にとって、Barは日常にも人生にも欠かせない。

今は、自分なりの“一人飲みの魅力”を、書き綴っていこう。

 

俺は、仕事帰りに寄れるBarを探していた。

そして、ふらりと立ち寄ったBarで、棚に並ぶ、ある酒瓶に気づいた。

「TUMUGI」、二条大麦と麹が主原料の新スピリッツだ。

忘れもしない。

数回ストレートで味わい、そのインパクトの凄さに舌を巻いた酒だった。

 

そいつが棚の最も目立つ場所に鎮座し、おまけにかなりの量が減っているのだ。

ラガブーリンをちびちびやりながら、興味に駆られてたずねてみた。

 

「あれ、かなり減ってますね?どうやって皆さん召し上がってるんです?」

マスクをしたバーテンダーが、にこりと微笑んだ。

「ショートカクテルです。」

「ええっ?私、TUMUGIのインパクトを知ってます!凄いクセですよ!」

「はい、美味しいカクテルになります。」

「信じられない……次回はそれを飲ませてください!」

「是非!」

 

※谷澤氏オリジナルカクテル『エスティバン』。背後のボトルが使用されている。

 

そして2週間以上が過ぎ、俺は再び、Bar OPA(オーパ)門前仲町店にいた。

「TUMUGIのカクテルを。」

バーテンダー谷澤氏が差し出したカクテルの名は、『エスティバン』。

「エスティバンの意味は?」

「フランス語でバカンスを楽しむ人の意味で名付けました。私の名刺代わりの一杯です。」

「いただきます!」

口に含んで、少し滞空時間を置いて、ゆっくりと飲み込む。

それを何度も繰り返した。

 

大変申し訳ないのだが、ただのサラリーマンの俺は、Bar OPA(オーパ)がどのような店であるかを、記事を書いている段階で知らない。知名度も、ウリも、もちろんスタッフについても。

事前に調べて来店しているわけではないのだ。

俺はただ、時にはコクーン(繭)のように、時には書斎のように、自分がくつろげ、美味い酒が堪能できる、そんな場所を探しているだけなのだ。

 

………美味い……なぜだ?

TUMUGIのインパクトは変わらずあるじゃないか?!

なのに、きっとバカンスは、こーゆー一杯で盛り上がるんだぜって、思えちゃうのはなぜだ?!

TUMUGIのインパクトを、快く感じてしまうのはなぜなんだ?!

 

他に一緒に入っているものや、造る技術のせいなのだと言ってしまえばしまいだが、

それにしても、少々苦手だった風味を好ましく感じるのは……

青天の霹靂に違いなかった。

チープなセリフだが、バーテンダーの造るカクテルは、やっぱりすげえ……。

 

俺はきっと、不思議なものを見るような顔をしていただろう。

「……美味しいよ。」

「お口にあわないのではないかと思いました。」

「いや、美味い……でも、なぜ美味いかわかるまで、何度でも飲んでみることにする。」

困ったような顔の俺に、谷澤氏はにこっと微笑んだ。

 

一人飲みの魅力、その3。

時に、たまげるような一杯との出会いがあること。

会話に夢中になっていては、少々難しいかもしれないぜ。

俺は多分、これからもOPA(オーパ)にお邪魔することになるだろう。

“ジーヴァイン ジン フロレゾン”で造ってもらったカクテル“パラダイス”。

まさに、花畑を散歩しているような気分になる一杯。飲み進んでから慌てて撮った(笑)。

 

Bar OPA(オーパ)門前仲町店

https://bar-opa.jp/

 

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